チームPLUS 1

讃岐うどん巡礼ツーリング

02年12月、やるぞ!とお知らせ欄に掲示したのが、実施予定の3日程前。当然、参加者が集まらず延期になっていましたこのツーリング。年が明け、03年2月某日やっと開催にこぎつけました。

 遊びに行くときゃ皆早起き。8時にはちゃんとお店に集合。前日までの雨で路面は水溜りだらけ。「四国地方は時々雨」とかの天気予報です。まぁどうにかなるよと、宇野港を目指して快走します。

 参加者は、うどんツーリング元祖発起人の長井さん。三宅さん。工場長。塚本さん兄弟の5人。少々少ないようですが、1度にお店に入る人数としては最適。セルフのお店が多いので、まぁ10人くらいまででしょうか。丁度ヨイ人数って。「原付で」ってのが原則だったのですが、125未満は2台だけ。まぁこのヘンはヨシとしましょう。レースじゃ無いの
で。

安い方のフェリーに乗船。一路、高松港を目指します。うぅーん。しかしこの船体は・・・安いだけのことはある。

 「6軒はイケるよね」

 「いやいや、7軒くらいは廻らなきゃ」

とかとかフェリーの中で言ってる間に、高松港着。有り難いコトに、高松在住の三好さんがブロスでフェリー乗り場で待っていてくださった。しかも、同行していただけます。

先ずは1軒目。フェリー乗り場からすぐそばの「根っこ」へ。定番・ぶっかけを注文。今日の第1食。起きぬけのうどんです。高松には喫茶店のモーニングセットにうどんが付いてくるとか言う人がいましたが、こっちは確認出来ず。

ず、ずずず。チュルッ、ぱっ。と約2分ですすり上げて、次に移動です。

 2軒目が本日のメインイベントとなります。三好さんのブロスに連れられ、市街中心部から10分くらい郊外に向けて走ります。広い道路の土手道に逸れて三好さんが停車します。

「このあたりの端にバイク置いて歩いて行きます」と三好さん。

「あそこも、ここも。あっ、たぶんアレも『ルミちゃん』に行っている人の車ですよ。バイクも置けないような所にありますから。皆、置けそうなトコへ車置いて歩いて行くんですよ。正式な事業所名はナントカって『製麺所』なんですけど、製麺したてを食べに来る人ばかりで、無くなったらそれで閉店。うどん屋っていうのかナンっていうのか、そんなトコです」
と三好さんに説明されながら歩くも、ホントにこんなトコにうどん屋があるのかいなと思ってしまう、普通の住宅街です。

 しばらく進むと、倉庫っていうか・・・物置風の建物に人が群がっています。そこが「ルミちゃん」でした。一同いつに無く思案気な面持ちで行列に並びます。

「えっ。これかなぁ・・・」

と三宅さん。目線は遠くなり、小刻みに首を左右に振り、なんか時々頷いている独特の表情を見せる三宅さんです。期待と不安が交錯する時間て、身体がむずむずモゾモゾ、なんて言うのか官能的でさえあります。製麺所見て欲情しているわけではありませんが、こうした時間はなんとなく癖になりそうです。とても大勢の人が並んでいます。

 順番がやって来ました。物置、もとい。製麺所の中は湯気モウモウで熱気がこもっています。オジさんオバさん、お兄さんにテキパキ指示している背中の曲がったおバアちゃん。

どうやら、この女性かルミちゃんのようです。

70は越えてるようにお見受けししたが、違ってましたら失礼の段ご容赦下さい。

ルミちゃんの後には、どう見てもルミちゃんより古い製麺機がどどぉ~んと鎮座しています。ルミちゃんが麺ダネを拵え、この機械が延ばし、打つ。すごいシルバーコンビです。ルミちゃんのあの枯れた腕のどこにそんなパワーが隠れているのか。あの曲がった背中でよくもまぁ捏ねられるモンだと、食べる前に圧倒されてしまいます。期待に胸は更に膨らみます。

 メニューなんて有りません。黙っていると、どんぶりに打ちたてを1玉よそってくれます。そのまま進み、置いてある、ルミちゃん特製の麺醤油を自分でたらします。この特製醤油がすごい。どんなにスゴイか。とにかく旨い。ルミちゃんの麺にベストマッチ。うまく表現できません。イリコのダシのような気もするけれど、それだけでも無い風味も味もします。薬味が欲しい人は、俎板の上に置いてあるネギを要るだけ自分で刻んで、のっけます。

 さらに進んで、お支払です。
「65円!?」

一斗缶のフタが3つばかり並んでいます。フタの中にはお札がポロポロ、コインがジャラジャラ。おつりも自分で取って支払をするシステムです。建物の中には板のベンチ型腰掛けが数席ありますが、皆さんドンブリ抱えて外に出ます。軒下や道の端っこで、立って、しゃがんで思い思いのスタイルでススリ込みます。
「旨い!」

の言葉も出ない。一気に、ズズッと胃の中に。いやぁ・・・シアワセだった。

午前中に3軒目に突入。ここもセルフのお店です。「通」のお約束で「醤油」か「ぶっかけ」を各自注文。プラス1きってのグルメ・長井さんと地元・三好さんの案内があるとはいいながら、ホントに何処に行っても旨いうどんを食べさせてくれます。ホント不思議な地域です。三好さんなんかは、産湯にうどんの湯を使ったと言います。(これはウソ)
 地元需要だけで、こんなに質が高いマーケットが形成されているコトも不思議です。地元の人だけこのヨロコビを享受するのはもったいない。バス会社のうどんツアーが県外客を大勢集めて盛況なのは充分理解出来ます。そう言えば、うどん屋さんで県外プレートの車をたくさん見ました。

ルミちゃんと、何処でも外れの無い「うどん偏差値」の高い香川ってところにすっかり圧倒された我々が目指したのは、五色台。一応、「ツーリング」ですから・・・はい。観光地らしいトコに行かなきゃ。まぁ、ツーリングってコトもありますが、ルミちゃんのインパクトがあまりに強くて冷却期間として少し休憩です。午前中に3軒廻って、おなかが良くなったのも手伝って。
 曇りながらも、それなりに風情のある瀬戸内海です。潮の流れは複雑でキツイと言われていますが、波の無いのっぺりとした内海がトロンと拡がっています。春を感じさせる海です。て言うか、春が良く似合う。

 ツーリングらしい行動を一応済ませて、4軒目に突入です。長井さんのリードで多度津方面に足を伸ばします。当然、ここでも「当たり」です。ちょっと足をのばしているので、ここから高松方面へ戻れば少しは腹もこなれる。5軒目を目指して高松に戻っている途中、アクシデント。

なんでもない交差点の左コーナ。なんと・・・塚本弟さんのTZRに向かって、路面がせり上がってきているではありませんか。次なるうどんのために血液は胃に集中。頭に血液足り無い目にはそう見えた。ケド、塚本さんはコケていた。ご本人も、周囲も「ナンデ~」ってなコケ方。怪我は無いけど、TZRの左側は・・・、ハンドルがタンクにぐぅっと近づいているのが特にイケナイ。

 「こらゃ~少々踏んでもぶつけても自走はムリじゃな~」

と、工場長の診立て。
 ここでまたも三好さんのお世話になる。三好さんは、弟さんに電話。三好さんの弟さんは、休日なのにトランポで車両回収に来てくださった。フェリー乗り場まで運んでもらい、岡山側には塚本さんのお友達に待機してもらえる段取りになる。

「いくら旨いうどんでも、こっから先はちょっとしんどいかぁ」 と、半数は考えてた頃だったコトもあり、
「まぁこれがオトナのツーリング。腹八分よ」 と、一同きり上げるコトに。

 讃岐うどんのトータルな質は、瀬戸大橋使って、車で通行料約1万円払っても見合うスゴイ地域資産だと実感します。でも、この素晴らしいうどんを楽しみに橋を使って出掛けるには実際には無理。社会インフラってのは、「使う。それから生じる結果とか成果」を目的に整備されるべき。ツーリングチーム一同、考えた。声を大にして言いたい。

 「せっかく作った橋があるのに、ワシらはこうしてフェリーでうどん食いに行って来たぞ!ルミちゃんの65円を見習え!65円握って、そうだ行きたい!って思った時にビユンッって橋通って行けるようにしろ!ルミちゃんの65円のうどん食べるためには10倍。片道650までなら払っても橋使ってやるぞ!沢山の借金有るのは分るけど、使わなきゃ効果が出ないだろう!」

これって我侭でしょうか。今の現実から見たら当たり前ですよね。今になって地元でさかんに言われている。でも、言われても直そうとしない国。
「やっぱり『橋を架けるコト』だけが『目的』だったんですね」
ってな、「社会派総括」を瀬戸大橋ヨコ目にサビ錆フェリーの船上でする「プラスワン讃岐うどん巡礼ツーリングチーム」でした。

 最後になりますが、お出迎えから案内、さらに事故車レスキューまでしてくださり大変なお世話をいただきました三好さんご兄弟に、深く深くお礼申し上げます。有難うございました。

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    6軒以上は廻るぞ!の気合を込めて、集まりました。お店に早朝8時に集合。Spカブの工場長・彼女のSR乗っ取り長井・マジェスティー三宅・ドゥカティオフイシャルスクータ!マラグーティー改の塚本兄・TZR塚本弟。
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    宇野からフェリーで目指すはうどん。因みにこのフェリー、中にエスカレータがあったり噴水があったりしない船です。
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    高松到着。ありがたいことに、地元の三好さんがブロスでお出迎え。先ず連れて行ってくださったのは「根っこ」お店は新しくキレイ。フェリー乗り場からすぐ近く。たくさん食べるために朝食ヌキの身には、長井さんのアタマが延ばす前のうどん玉に見える。
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    「根っこ」のぶっかけです。先ずは定番でスタート。
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    今回のメインイベント「ルミちゃん」に向かう一同。三好さんの案内無くしては絶対に行けなかった。
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    住宅街の中にポツンとある物置風の建物が、「ルミちゃん」のお店。正確には○×△製麺所っていうらしいです。午前中、しかも10時台でも行列が出来ています。恐るべきルミちゃんの実力。
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    やっと順番がめぐって、すすり込みます。軒下、店先でいただきます。ウン、うん、ウン!と言葉を失い立ち尽くす長井さん、塚本さん。正調・しゃがみ込みスタイルで打ちたての麺を堪能する工場長。
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    五色台の後は、3軒目に突入。ぶっかけ、醤油とずずっとすすり込みます。何処でいただいても間違いない。この「うどん偏差値」の高さには驚くばかり。
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    ルミちゃんを堪能した後は、ちょいと腹ごなし。ツーリングらしく五色台に廻ります。曇りの穏やかな瀬戸内海もなかなかのモノです。
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    一見、休憩中の絵ですが・・・。左側面が写ってませんが・・・、左ハンドルが随分とタンクに近付いてるのは気のせいでしょうか。
●讃岐うどん巡礼ツーリングフォト-03年2月某日