チームPLUS 1

店主敬白

8.みなさんありがとう

「ウッちゃんバイク屋するんじゃてなー」

イサオちゃんが喜んで電話してきた。その昔、私のW1Sをビニール袋に詰まった100円札で買っていったあのイサオちゃん。私のバイク屋開業表明に対して、イサオちゃんをはじめ周りの仲間達全員大賛成してくれ、それはそれは力になってくれた。

開店時に限っても沢山のご支援をいただいた。量的にも質的にも書き尽くせない恩義を大勢の方にいただいています。ほんの1部に過ぎませんが、思い出、印象深い部分をご紹介します。

「独立するんじゃったら名刺が要ろう」

と言って、近所に住むサブちゃんが、裏のガラス戸を開けると同時に差し出したのは名刺箱。中には印刷前の名刺用のおしゃれな紙。商売に使う不要になったサンプル紙を名刺サイズに切って持って来てくれた。

「まだ店の名前も電話番号も決まってないんじゃから白紙。決まったら当面自分で書いて渡されぇー」

そうか。名刺は要るわなぁ。思い付かなかった。後日、村山モータースの川名部長に手渡したあの手書きの名刺が、この世界デビューの最初の名刺だった。 しかもこの名刺箱には、すごいおまけが付いていた。

「ウッちゃん、お店にクーラーが要るじゃろ。1つ有るよ、店舗用の大きいやつが。うちの会社に」

聞けばサブちゃんの勤める会社は、今回社屋を建て直すそうだ。

「1回見に来たらどうじゃろう。要りそうな物が有ったらたぶん持って帰ってええよ、専務に言うとくから」

ニコニコ顔で迎えてくれた専務さん。同年代かな?いや、ちょっと私の方が上か。と思いながら雑談してると、なんと彼もバイクの病にかかっているらしい。聞けばXS1のオーナーらしい。

「オイル漏れてるんですよね、僕のXS・・・治してもらえます?」
「有難うございます。第1号の仕事です。気合入れて治しますんで、是非やらせてください」

なんと開店前に仕事の依頼。名刺箱には1つも2つも大きなオマケが付いていた。
タカタさんとのお付合いの始まりは、あのサブちゃんが勝手口から届けてくれた名刺箱が入り口だった。


 白熊のマっつぁん。いつも白い作業服を着ていて、とにかく身体がでかい。よく食った。よく呑んだ。よん遊んだけど、仕事も寝ずにしていた。当時乗っていた刀750が125に見えた。代行時代の相棒(1部-10)っていった縁だけじゃなく、どうした訳かマっつぁんの工場と私のお店は歩いて3分の距離だった。
マっつぁんは、当時、我が家で唯一の4輪車(当然、親子4人が乗ることになる)の軽トラを特別価格で分けてくれた。行ったり来たりの毎日がその後続いた。

 お互いコーバを引越してもずうっとお付き合いしてくれていた。末永い、一生のお付き合い相手となるはずだった。過去形になってしまうのが辛い。こんなにも短い、短過ぎる「一生の付き合い」になってしまった。
マっつぁんは03年3月、好きなヨットの上で急逝。マっつぁん、有難う。ホントに。


 店内の備品の殆どを仲間達がどこかしらから調達してきてくれた。ディスプレイ用の棚から、お店のクーラー(動力電源の30畳の部屋まで冷やせる店舗用)まで。ありとあらゆる物が無償で集まった。 要るけど、私が買えないだろうモノを仲間の方から、色々気を遣って集めてきてくれた。

 持つべきモノは友達。と、心から思った開店前。この時自然発生した店外スタッフの仲間達が、その後の仲間達に正しい?遺伝子を伝え、ボランティアタスクチームの結束は毎年高まるばかり。ホント有難うございます。ホント有難い。